新材料情報
2021.06.25
2021.07.27
光学フィルム~材料編~
光学フィルムは様々な用途で使われています。例えば、液晶ディスプレイの光に対する
性質をコントロールする偏光板、位相差板や光の量や方向をコントロールする拡散フィルム、反射フィルム、輝度向上フィルムなどがあります。また、ディスプレイの視認性に関わる、AG(Anti-Glare)フィルム、AR(Anti-Reflection)フィルム、LR(Low- Reflection)フィルム、覗き見防止フィルム等があります。
今回は、カバーガラス・樹脂パネルなどに貼合されディスプレイの視認性をコントロールするフィルムについてお話します。
❖AG(Anti-Glare)フィルム
微細な粒子をフィルム表面にコーティングしたもの。微細な表面の凹凸により、蛍光灯などの光が拡散反射されることで、映り込みが少なくなります。
❖AR(Anti-Reflection)フィルム
フィルムの表面に屈折率の異なる膜を交互に多層コーティングしたもの。反射率を低減し、反射防止効果が得られます。一般的にドライ方式(スパッタリング、蒸着)で形成されて1%以下の反射率を得られるものをいいます。
❖LR(Low- Reflection)フィルム
フィルムに低屈折率のコーティング剤をフィルムに単層で形成したもの。反射防止効果が得られます。一般的にウェット方式で形成され反射率を1%台にしています。
❖AF(Anti- Fingerprint)フィルム
フィルム表面に撥水機能を形成したもの。タッチパネル等フィルム表面に触っても指紋が付着しにくくなり、また拭き取りも容易になります。
モスアイ(Moth-eye)フィルム
蛾の目(モスアイ)と同じような非常に微細な凹凸をフィルム表面にナノレベルで構成したもの。この非常に微細な凹凸構造により光を反射せずに取り込むことで、反射防止効果が得られます。
❖覗き見防止フィルム
ルーバーと呼ばれる微細な層(板)がフィルムの厚み方向に形成されたもの。このルーバーの厚みや角度によって視野角をコントロールするフィルム。パスワードなど覗き見されないようにATMなどに使用されています。また覗き見防止以外で、車載での反射、映り込み防止用途でも用いられます。
上記フィルムに機能を付加させるものとして、防指紋コーティング、抗ウィルスコーティング、光触媒コーティング(自動汚れ落とし、抗菌)などがあります。
様々な用途のフィルムを取り扱っていますので、お気軽にお問合せください。