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2024.05.01
あなたの世界をちょっとヨクスル~車載用リチウムイオン電池編・その3~
3回にわたり、リチウムイオン電池をテーマにお届けしてきた最終回。あらためて車載用リチウムイオン電池の安全性についてお伝えします。前回までの話で「電気自動車って危ないんじゃないの?」と思った方もいるかもしれません。いえ!繰り返しになりますが、スワコーの断熱材、緩衝材、熱伝導シートで、安全対策にぬかりはありません!
Q,あらためて車載用リチウムイオン電池の注意点はなんですか?
A,発火や破裂の危険性です。
たとえば、充電しすぎや放電しすぎの状態になると、発熱し、熱暴走を引き起こすことがあります。そうすると、電解質が発火する恐れがあります。また、発熱による電池内部の圧力上昇で、電池そのものが破裂する危険性も否めません。また、万が一、電気自動車が衝突事故を起こした際に、その衝撃で電池内部が熱暴走を引き起こし、車両火災につながる恐れも。車載用リチウムイオン電池は化学物質で成り立っていますから、化学反応による発火や破裂といったリスクはどうしても避けられないのです。
Q,そうしたリスクを回避するため、どのような対策がなされていますか?
A,断熱材や緩衝材、熱伝導シート、絶縁材といった部材を駆使しています。
「電池」と聞くと「乾電池」のように1つの固体をイメージするでしょう。しかし、車載用リチウムイオン電池はそうではありません。
「その1」でお話しした「プラス極とマイナス極と電解質」。これらを1つのセットにした「セル」が複数、行儀良く並んで構成されています。そして、1つのセルが熱暴走を起こした場合、その熱が行儀良く並ぶほかのセルに次々と伝わって、立て続けにセルが熱暴走。そうして、発火に至るのです。
そこで、セルとセルの間に断熱材や緩衝材を配置することで、1つのセルが受けたダメージや発した熱を遮断。安全性を確保しています。
また、リチウムイオン電池には電極同士(プラスとマイナス)が直接接触すると、ショートを起こして発火につながることもあります。そこで、電極同士が触れてもショートしないよう、絶縁材(セパレーター)も使用されています。
そして、車載用リチウムイオン電池そのものは、通常に機能していても熱を発しています。この熱がたまってしまうと、やはり熱暴走の原因になりかねません。そこで常に熱を拡散するために、熱伝導シートも用いられています。
では、スワコーが取り扱う車載用リチウムイオン電池部材をご紹介!
■断熱材(材質:マイカ、無機繊維、断熱紙)
■緩衝材(材質:耐熱スポンジ、耐熱ゴム)
■熱伝導シート(材質:アクリル系、シリコン系、グラファイトシート)
■ベント(電池から発するガス)対策用断熱材(材質:マイカ、断熱紙、無機繊維、アラミド繊維、ガラスクロス)
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スワコーの得意分野はOCAや光学フィルムの加工にとどまりません。たとえば「電磁波シールド材」もその1つ。電磁波がもたらす機器の誤作動や故障、通信障害といった問題解消に、高度な加工技術で貢献しています。スワコーでは銅やアルミなどの金属箔、電波吸収体の単体加工、両面テープを用いた樹脂フィルムとのラミネート加工、一部アース露出、曲げ加工などフレキシブルに対応可能。シールド材でお困りの際もスワコーへ!