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2024.05.06
あなたの世界をちょっとヨクスル~リチウムイオン電池・業界編 その1~
目下、スワコーが提供に注力する部品の1つが断熱材や緩衝材、熱伝導シートといった「車載用リチウムイオン電池部品」。この「リチウムイオン電池」、実は車載用に限らず、世界中、さまざまな場所で大活躍中!今回はそのリチウムイオン電池を取り巻く状況を解説します。
リチウムイオン電池の「これまで」
世界のインフラを支えるカギ「二次電池(蓄電池)」の代表に!
リチウムイオン電池は充電して繰り返し使える電池である「二次電池(蓄電池)」の1つ。1985年に旭化成が基本特許を出願、1991年にソニー・エナジー・テックが世界初の実用化・量産化を実現するなど、日本がその歴史を切りひらいてきました。
そして、世界がデジタル社会、さらにカーボンニュートラルの時代を迎えるなか、二次電池が一気に存在感を高めてきました。
「自動車の動力源は内燃機関よりも電気」
「データセンターや5G通信基地といった重要施設の維持に、強力なバックアップ電源は不可欠」
「再生エネルギーを効率良く供給するために蓄電池を活用できたら……」
「万一の災害時、家庭用にも業務用にも非常用電源があれば……」
といったニーズにこたえるのが二次電池であり、そのなかでもっとも優秀なリチウムイオン電池が代表になったのです。
リチウムイオン電池の「いま」
中韓メーカーが市場シェアを拡大中
富士経済によるとリチウムイオン電池の世界市場規模は2021年が推計約10兆5126億円で、対2020年比57.0%増。たった1年でこれほどの増加率ということは、市場規模が急拡大しているのは間違いありません。
そして、ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスの調査では、世界のリチウムイオン電池需要の約7割が車載用、残りがスマートフォンや家電用、定置用(施設や家庭への据え置き)となっています。
また、エコノミスト編集部集計による車載用リチウムイオン電池の世界シェアは2022年1~7月時点で中国が57.3%、韓国が25.9%。中韓が8割以上を占めています。ちなみに、2015年の世界シェアトップは日本(51.7%)。10年足らずで一気に勢力図が変貌しました。
リチウムイオン電池の「これから」
拡大の一途を辿るなか、断熱材、緩衝材、熱伝導シートの品質もより重要に
富士経済のリチウムイオン電池の世界市場予測は2025年で12兆3315億円。世界的な車載用需要の増加に加え、定置用も着実に伸長するため、2020年比でなんと84.1%増を見込んでいます。この数字だけを見ても、リチウムイオン電池は私たちにとって「生命線」とも言えます。そして、このリチウムイオン電池を事故なく安全に稼働させるため、電池を構成する断熱材や緩衝材、熱伝導シートといった安全対策部材の品質も重要。高品質の断熱材、緩衝材、熱伝導シートがリチウムイオン電池を守り、ひいては私たちの生活を守ります。
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地球環境問題に配慮した脱石油の動き。そこから生まれた電気自動車を支えるのが「リチウムイオン電池」です。従来の電池よりも軽くて小さいながらも、非常に大量の蓄電が可能。しかも、放電後は充電できるので、繰り返し使えるのも利点です。コンビニエンスストアや道の駅などの駐車場の片隅で車が充電している様子を目にした人もいるはず。あれは車載リチウムイオン電池に充電しているのです。