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2024.05.13
あなたの世界をちょっとヨクスル~リチウムイオン電池・業界編 その3~
「リチウムイオン電池・業界編」の最終回となる第3回。今回は「車載用」について、さらに市場検証してみます。車を運転する皆さん、最近、路上で信号待ちをしているとき、前方の車に「BYD」というエンブレムを目にしたことはありませんか?これが第2回にもちょっと登場した中国の自動車メーカー「BYD」なのです!日本でも急増中です。
世界の自動車市場の現状
中国のEVが世界中を爆走!
世界自動車メーカーの時価総額トップ3
1位 テスラ(アメリカ) 8537.2億ドル
2位 トヨタ自動車(日本) 1977.2億ドル
3位 BYD(中国) 1019.2億ドル
*2022年9月16日時点、エコノミスト
EVブランド別世界販売台数トップ3
1位 BYD(中国) 8000745台(16.2%)
2位 テスラ(アメリカ) 617309台(12.5%)
3位 上汽通用五菱汽車(中国) 273292台(5.5%)
*2022年1~7月、カッコ内はシェア
しかも車載用リチウムイオン電池の世界シェアは2022年1~7月時点で中国が57.3%。中国がEV市場を席巻しています。
車載用二次電池の将来
全固体リチウムイオン電池の開発
リチウムイオン電池に代わる二次電池として、もっとも期待を寄せられているのが「全固体電池」です。現在使われているリチウムイオン電池は電極が液状の電解質のなかに設置されています。この電解質が可燃性であるため発火リスクを伴います。
一方の「全固体電池」は固体電解質を使用することで電池の安全性を高めます。また「同じ体積のリチウムイオン電池に比べて航続距離が2倍」「従来のリチウムイオン電池よりも急速充電が可能」という利点も。ただし、電池の寿命をのばす技術、量産化技術は開発途上。今後の全固体電池開発の動向に要注目です!
まだまだリチウムイオン電池が主役!
安全性の確保には断熱材、緩衝材、熱伝導シートなどの部材も重要
全固体電池は開発途上、なおかつ第2回で触れたように2035年までの車載用リチウムイオン電池市場予測は右肩上がり。つまり、リチウムイオン電池にはまだまだ活躍してもらわねばなりません。
そのリチウムイオン電池は再三指摘しているように、発火のリスクがあります。リチウムイオン電池は、「プラス極とマイナス極と電解質」を1つのセットにした「セル」を複数並べて構成。1つのセルが熱暴走を起こすと、その熱がほかのセルに次々と伝わり、発火に至ります。
そこで、セルとセルの間に断熱材や緩衝材を配置したり、電極同士が触れてもショートしないよう絶縁材(セパレーター)を配置したり、電池の熱を常に拡散するための熱伝導シートを用いたり。そうしたさまざまな部材を駆使して、安全対策を講じる必要があります。当然、断熱材、緩衝材、熱伝導シート、いずれも高品質であることは必須条件。スワコーはアクリル、ウレタン、シリコン、無機繊維といった素材を高い技術力で加工して製造した断熱材、緩衝材、熱伝導シートを提供することで、皆さんの安全なカーライフの一助となっています。
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スワコーの得意分野はOCAや光学フィルムの加工にとどまりません。たとえば「電磁波シールド材」もその1つ。電磁波がもたらす機器の誤作動や故障、通信障害といった問題解消に、高度な加工技術で貢献しています。スワコーでは銅やアルミなどの金属箔、電波吸収体の単体加工、両面テープを用いた樹脂フィルムとのラミネート加工、一部アース露出、曲げ加工などフレキシブルに対応可能。シールド材でお困りの際もスワコーへ!