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2023.09.04
あなたの世界をちょっとヨクスル ~AGARフィルム編~
AGARフィルムとは?
眩しさと反射を防ぐ
「防眩(眩しさを防ぐ)」と「反射防止」の機能を兼ね備えたフィルムのこと。AGARは「Anti-Glare(防眩)Anti-Reflective(反射防止)」の略です。
たとえばタブレットでの動画視聴中や、停車してカーナビゲーションシステムを見たとき、「見にくいな」と困ったことはありませんか?これは光が画面に映りこんで眩しかったり、反射したりするのが原因。そこで、AGARフィルムを貼って画面を見やすくします。
AGとARの違い
AGは表面の凹凸で光を散乱させる
「Anti-Glare(防眩)」の名のように、眩しさを防ぎ、強すぎる光を和らげます。AGは保護フィルム表面のコーティング膜に微細な凹凸をつけます。そうして外光の映り込みを拡散反射し、視認性を確保します。ざっくり言えば「光を散乱させる方法」です。画面が白っぽくなり、像がややぼやけるのはデメリットです。
ARは光どうしを干渉させて打ち消す
「Anti-Reflective(反射防止)」の略であるARは、保護フィルム表面に多層膜を形成します。光の屈折率とコーティング膜の厚みを精密に制御した膜です。その膜による光の干渉現象で外光の映り込みを防止します。ざっくり言えば「光の波としての特徴を利用して映り込みを打ち消す方法」です。表面が平らでなめらかなので光の散乱がなく、コントラストを下げません。ただし、見る角度が変わると一部の反射色が変化します。そのため不自然な印象を与えるデメリットもあります。
AGARフィルムの今後
AGARフィルムはニーズに合わせて進化
AGARフィルムはAGとARの仕組みを生かした画期的なフィルムです。ノートパソコン、スマートフォン、タブレット、産業用ディスプレイ、カーナビゲーションシステムなどの車載ディスプレイ、家電、医療機器、めがねなど、「画面」に映る情報を必要とするあらゆるものに使われています。「光の反射を防いで、画面のぼやけも防止したい」「画像の変色を防ぎたい」「光沢感は出したい」といった、さまざまなニーズに合わせた進化が期待されます。
参考資料
https://techtimes.dexerials.jp/optics/basic-of-anti-reflection/
https://www.nippon-kako.co.jp/column/9.html
https://www.dnp.co.jp/biz/solution/products/detail/1190628_1567.html#anchor03
https://techtimes.dexerials.jp/optics/basic-of-anti-reflection/