加工技術情報
2024.07.22
あなたの世界をちょっとヨクスル~国内電気自動車市場の動向・前編~
本日もスワコーのブログをご覧いただきありがとうございます!2024年5月にお届けした「あなたの世界をちょっとヨクスル~リチウムイオン電池・業界編」もお読みになりましたか?世界の電気自動車事情について数字も交えてお伝えしたのですが、今回はその延長戦。リチウムイオン電池市場の今後を占う上でも重要な国内市場の動向に触れていきます。
「電気自動車」について
正確には「電動車」で、4種類をまとめて「電気自動車」と呼ぶことも
タイトルや文中、これまでのブログで「EV」や「電気自動車」と呼んでいたもの。正確には「電動車」と呼ばれるものの一種です。
電動車とは、エンジンだけではなく、電化(Electrified)によって走行する車のこと。その電動車で、現在市販されているのは主に4種類あります。
・ハイブリッド車=HV、もしくは、HEV(Hybrid Electric Vehicle)
・プラグインハイブリッド車=PHV、もしくは、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)
・電気自動車=EV、もしくは、BEV(Battery Electric Vehicle)
・燃料電池車=FCV、もしくは、FCEV(Fuel Cell Electric Vehicle)
ご覧の通り、4種類すべてに「EV」が含まれています。要は「電気を使う自動車」ということ。そこで、正確には「電動車の中のEV」とか「電動車の一種、PHV」とか言うべきところ、わかりやすくひっくるめて「電気自動車」「EV」と呼ぶことが多いのが現状です。
日本の電気自動車の現状と普及目標
一般社団法人日本自動車工業会によると、日本の電気自動車の販売比率は2020年で36%。中国の7%、アメリカの5%に比べると進んでいると言えます。その一方で、環境先進国と言われるノルウェーの83%や、アイスランドの58%に比べるとまだまだです。そうした中、日本政府が掲げる2030年の電気自動車の普及目標は50~70%です。
車載用リチウムイオン電池のリサイクル
今後、電気自動車の普及に伴い車載用リチウムイオン電池の需要も増加が見込まれます。効率の良い車載用リチウムイオン電池の再利用や適正処理を行えるよう、日本自動車工業会を中心にすでに共同回収網が立ち上げられています。
それは、一般社団法人自動車再資源化協力機構(自再協)を窓口とした回収システムです。2018年10月より運用を開始しています。
また、電池部材業界の各社が2021年4月に電池サプライチェーン協議会(BASC・2024年5月時点の会員数206社)を発足。電池のサプライチェーン(部材・素材)を持続可能な形で発展させることで、日本と世界の電池産業に貢献していくことを目指しています。
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電気自動車に搭載されるリチウムイオン電池には「小型で軽量ながら大量の蓄電が可能」「充電可能」「長寿命」といったメリットがあります。一方で難点も。その1つが発火の危険性です。たとえば車両が事故を起こしてリチウムイオン電池にダメージが加わった場合、熱暴走によって発火につながる恐れも。対策のために車載リチウムイオン電池には絶縁体や熱電熱シートといった部材が欠かせません。