加工技術情報
2025.03.10
あなたの世界をちょっとヨクスル ~セル間スペーサー編~
「はじめまして」の方も、「いつも見ていますよ」の方も、皆さん、スワコーのブログへのご訪問、ありがとうございます!すっかりおなじみの「ヨクスル」シリーズ、2025年も皆さんへのお役立ち情報をお届けすべく、スタートです!今回は普及著しいEV(電動自動車)に欠かせない車載用リチウムイオン電池。その安全の要の1つ「セル間スペーサー」について、スワコー自慢の技術とともにお伝えします。
Q そもそも「セル間スペーサー」とは何ですか?
A 車載用リチウムイオン電池モジュールの部品の1つです。
車載用リチウムイオン電池は「プラス極とマイナス極と電解質」を1つのセットにした「セル」を複数個並べて構成されています。その並ぶセルとセルとの間に設置する部品が「セル間スペーサー」です。
Q セルをくっつけて並べれば楽なのでは?
A それは非常に危険です!セル間スペーサーが必要不可欠です!
すべてのセルがくっついて並んだ状態で、もしもセルの1つが熱暴走を起こせば、その熱が他のセルへと次々伝わって電池全体が発火し、車両火災を引き起こす恐れが……。そこでセルとセルの間の一つひとつにセル間スペーサーを施す必要があるのです。セルの1つが熱暴走を起こしても、セル間スペーサーが隣接するセルへの熱連鎖をシャットアウト!
Q 熱が伝わるのを防ぐということは、セル間スペーサーは断熱材?
A そのとおりです!
ただし、断熱性能だけでなく、セルへの衝撃を緩和する緩衝性能も兼ね備えていたり、さらには電極同士が触れてもショートしない絶縁性能も兼ね備えていたりと、EVの安全のためにセル間スペーサーの機能性は向上しています。
Q ズバリ、スワコーでセル間スペーサー用の素材加工は可能ですか?
A はい!ぜひご相談ください!
車載用リチウムイオン電池部品にまつわる加工部品の代表例として「セル間断熱材」「電池パック断熱材」「絶縁材」「放熱材」などがあります。素材例では、断熱材ならばマイカ・無機繊維・断熱紙など、緩衝材であれば耐熱スポンジ・耐熱ゴムなど、絶縁材であればポリエステル・ポリカーボネート・ポリイミド・ABS・PA・PEなどがあげられます。そして、加工の際はブログで折々に紹介しているクリーンルーム加工も可能です。
\素材でも、加工方法でも「これはどうかな?」と気になったら、お気軽にスワコーへ!/
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電気自動車に搭載されるリチウムイオン電池には「小型で軽量ながら大量の蓄電が可能」「充電可能」「長寿命」といったメリットがあります。一方で難点も。その1つが発火の危険性です。たとえば車両が事故を起こしてリチウムイオン電池にダメージが加わった場合、熱暴走によって発火につながる恐れも。対策のために車載リチウムイオン電池には絶縁体や熱電熱シートといった部材が欠かせません。