加工技術情報
2025.04.28
あなたの世界をちょっとヨクスル ~ABテープ(ディファレンシャルテープ)編~
いつもスワコーのブログをお読みいただきありがとうございます!突然ですが、とある美容師さんから聞いたお話を1つ。コロナ禍、マスクを両面テープで顔に貼ってご来店のお客様がおられ「剥がすときに痛くない?」と尋ねたそう。すると「マスクに貼る側は強粘着ですけど、肌に貼る側は医療用の肌に優しいテープだから痛くないですよ」と。実はこの両面テープこそが、今回のテーマ「ABテープ(ディファレンシャルテープ)」の1つなのです。
Q そもそもABテープ(ディファレンシャルテープ)とは何ですか?
A 「両面テープの1種」です。
一般的に「両面テープ」と言えば、両方の粘着面(以下、A面・B面とします)とも同じ粘着度合い(同じ粘着質)です。
ただし、冒頭の「マスクを顔に貼るための両面テープ」のような「A面とB面とで粘着度合いが異なる」ものも存在します。
A面もB面も同じ「アクリル系」の素材ですが、粘着度合いの強弱は異なります。これが「ABテープ」であり、「異なる」という英語「differential(ディファレンシャル)」を使った「ディファレンシャルテープ」とも呼ばれます。
さらに、以下のタイプもあります。
A面はアクリル系、B面はシリコーン系と、素材そのものが違うタイプ。これも「ABテープ」「ディファレンシャルテープ」と呼ばれます。
なお、「ABテープ」「ディファレンシャルテープ」は「ハイブリッドテープ」「ハイブリッド両面テープ」「両面テープ(ハイブリッド型)」といった呼び方もありますが、いずれにせよ「A面とB面とで違いがある両面テープ」に変わりはありません!
\スワコーにご相談の際、呼び名の違いは一切気にしないでください!/
Q スワコーのABテープ(ディファレンシャルテープ)加工の強みを教えてください。
A 前回ご紹介した「両面テープ」以外の事例ならば……「最適な提案」が強みです。
たとえば「エアコンの室外機内部の部品の保護具を固定」という場合、お客様からのヒアリングをもとに、「風雨、気温、土砂やちり、ほこりの影響」「熱を発する部品側の接着面の耐熱性」「保護具が有する絶縁性の維持」「長期間剥離しない粘着性」などさまざまなポイントを多角的に分析・検討。そこに予算や納期なども加味して、最適なABテープ(ディファレンシャルテープ)と加工方法をご提案します。
\場合によっては「大判の樹脂フィルムの両面にそれぞれ異なる粘着剤を塗布し、それぞれ適切なセパレーターを施す」というABテープ的フィルム加工もOK!/
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電気自動車に搭載されるリチウムイオン電池には「小型で軽量ながら大量の蓄電が可能」「充電可能」「長寿命」といったメリットがあります。一方で難点も。その1つが発火の危険性です。たとえば車両が事故を起こしてリチウムイオン電池にダメージが加わった場合、熱暴走によって発火につながる恐れも。対策のために車載リチウムイオン電池には絶縁体や熱電熱シートといった部材が欠かせません。