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2026.07.23
PETフィルム加工の基礎|保護・絶縁・スペーサー用途で使われる理由
電子機器や産業機器の設計では、
「絶縁のために薄いシートを一枚入れたい」
「部品同士のすき間を埋めたい」
「表面を傷から守りたい」
といった場面が頻繁に出てきます。
そんなとき、まず候補に挙がる素材のひとつがPETフィルムです。
透明で、強く、電気を通しにくく、しかも安価。
汎用素材でありながら守備範囲が広いため、試作から量産まで幅広く使われています。
本記事では、PETフィルム加工の基本と、保護・絶縁・スペーサーといった代表的な用途で選ばれる理由、そして加工を依頼する前に整理しておきたいポイントを解説します。
PETフィルムとは
PETフィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)を薄いフィルム状に成形した樹脂材料です。
ペットボトルと同じ樹脂系統ですが、フィルム用途では延伸によって分子を配向させ、強度と寸法安定性を高めているのが特徴といえます。
厚みの選択肢が豊富な点も、設計者にとって扱いやすい理由でしょう。
数十µm程度の薄いフィルムから、比較的厚手のPETシートまで、用途に応じて使い分けられます。
主な特性は次の通りです。
- 機械的強度:薄くても引っ張りに強く、破れにくい
- 電気絶縁性:体積抵抗率が高く、絶縁材料として実績が豊富
- 寸法安定性::温度・湿度による寸法変化が比較的小さい
- 耐薬品性・耐水性:一般的な溶剤や水分に対して安定
- 透明性:光学用途や表示部の保護にも対応しやすい
- コスト::他のエンジニアリングプラスチックと比べて入手性が高く安価
万能ではなく、高温環境や強アルカリ環境では加水分解や劣化が進む点には注意が必要です。
使用条件を踏まえた材料選定が前提になります。
保護・絶縁・スペーサーで選ばれる理由
PETフィルムが多用される代表的な用途を整理すると、選定理由がはっきりします。
| 用途 | 求められる特性 | PETが選ばれる理由 |
|---|---|---|
| 保護フィルム | 傷防止・透明性・剥がしやすさ | 透明度が高く、粘着剤との組み合わせ設計がしやすい |
| 絶縁シート・絶縁スペーサー | 絶縁性・薄さ・寸法安定性 | 薄くても絶縁性を確保でき、形状を保ちやすい |
| すき間調整用スペーサー | 厚み精度・剛性 | 厚みバリエーションが豊富で、積層で調整もできる |
| 部材の基材(ベースフィルム) | 強度・平坦性 | 両面テープやクッション材の貼り合わせ基材に適する |
とくに絶縁スペーサーの用途では、「絶縁を確保しつつ、限られたすき間に収める」という相反する要求が生じます。
薄さと絶縁性を両立できるPETは、この課題に応えやすい素材です。
PETフィルム加工の主な工法
素材そのものは汎用でも、実際に使える部品にするには加工が欠かせません。
フィルム状の材料に対しては、主に次のような工法が用いられます。
打ち抜き(抜き加工)
金型や刃型を使い、任意の形状に切り抜く加工です。
丸形、角形、切り欠き、小穴など、図面通りの形状に仕上げます。
台紙を残す「ハーフカット」と、材料を貫通させる「フルカット」を使い分けることで、後工程での扱いやすさも設計できます。
貼り合わせ(ラミネート)
PETフィルムに両面テープや粘着剤、クッション材などを貼り合わせ、複合部材に仕上げる工程です。
保護フィルムや絶縁スペーサーの多くは、単体のフィルムではなく、粘着層を含む多層構成で成り立っています。
スリット・シート断裁
ロール状の材料を必要な幅に切り出したり、扱いやすいシートサイズに断裁したりする工程です。
後工程の生産方式に合わせて選択します。
相談時に整理しておきたい情報
PETシートやPETフィルムの加工をご相談いただく際、次の情報があると具体的な提案がしやすくなります。
| 確認項目 | 具体例 |
|---|---|
| 材料 | メーカー名・品番・厚み・粘着層の有無 |
| 形状・寸法 | 製品形状、寸法公差、とくに厳しい箇所 |
| 用途・環境 | 保護/絶縁/スペーサー、使用温度や周辺部材 |
| 数量 | 試作数量と量産予定数、立ち上げ時期 |
| 納品形態 | 個片・シート・ロール、台紙の要否 |
用途に合わせた最適な加工を
PETフィルムは、保護・絶縁・スペーサーと幅広い用途に対応できる汎用素材です。
ただし、そのポテンシャルを引き出せるかどうかは、材料選定と加工方法の組み合わせで決まります。
スワコーは、プラスチックフィルムや樹脂シート、粘着テープ製品の抜き加工・貼り合わせを手がけ、試作から量産まで一貫して対応しています。
「この構成で絶縁は成立するか」「もっとコストを抑える工法はないか」といったお悩みがありましたら、ぜひスワコーまでお気軽にご相談ください。
