OCA（Optical Clear Adhesive：光学用透明粘着シート）～貼合編～

OCAは、カバーパネル、タッチセンサー、ディスプレイの各空気層（エアギャップ）を埋め、ディスプレイの表示の視認性を向上させる目的で使用されます。各層によって、要求仕様が異なる為、仕様の違いについてお話します。

① カバーレンズとタッチセンサー層
カバーレンズは、アクリル、ポリカードネイト、及びそれを積層させた「樹脂」と「ガラス」（主には強化ガラスが使用）」の2種類の材質があります。
タッチセンサーは、ITO、金属膜を成膜／パターン形成した、「ガラス（G）センサー」と「フィルム（F）センサー」の２種類があります。又、銅や銀の薄膜をメタルメッシュと呼ばれるパターン形成したフィルムセンサーがあります。この部分に使用されるOCAは、カバーパネルに加飾印刷されている印刷段差部分の気泡や、タッチセンサーのITOや金属を腐食させないことが重要になります。

② タッチセンサーとディスプレイ層、カバーレンズとディスプレイ層
ディスプレイの表面は、液晶やＯＬＥＤの偏光板（円偏光板）や封止層（透明バリアフィルム等）になります。液晶の場合、反りによる変形（液晶層ギャップムラ、偏光板／位相差ムラ）が問題になるので、この反り（変型）による応力に追従できること、また偏光板の表面処理により接着性が異なるので相性の確認が必要になります。
ＯＬＥＤの場合、フレキシブルタイプとリジットタイプで異なりますが、柔軟性に対する追従性と水蒸気のバリア性があるものが良いと言われています。
貼合せ設備は一般的に「①大気貼り、②真空貼り」、貼合せ方式は「①ローラー式、②治具式、③バルーン式」があります。貼合メーカーの技術力・品質力・対応する用途によって組合わせているようです。