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2026.07.13

ポリイミドフィルムの精密加工|耐熱・絶縁部材に求められる抜き加工の注意点

ポリイミドフィルムの精密加工|耐熱・絶縁部材に求められる抜き加工の注意点

ポリイミドフィルムは、耐熱性・電気絶縁性・寸法安定性に優れた高機能フィルムです。
電子機器の小型化・高性能化が進むなか、端子まわりの絶縁部材、モーターや電池周辺の耐熱部材、フレキシブル基板関連部品など、熱や電気に対する信頼性が求められる用途で使用されています。

一方、抜き加工では、刃の摩耗やバリ、傷、寸法のばらつきなどに注意が必要です。
本記事では、ポリイミドフィルムの加工を検討する際に押さえておきたいポイントを解説します。

ポリイミドフィルム(PIフィルム)とは

ポリイミドフィルムは、分子構造が安定しており、高温環境でも機械的特性や電気的特性を保ちやすい樹脂フィルムです。一般に「PIフィルム」とも呼ばれ、耐熱フィルムや絶縁フィルムの代表的な材料として知られています。

主な特長は、次のとおりです。

  • 高温環境で使用しやすい耐熱性
  • 電気を通しにくい絶縁性
  • 薬品の影響を受けにくい耐薬品性
  • 薄くても破れにくい機械的強度
  • 熱による寸法変化の少なさ

こうした特性から、加熱工程を伴う電子部品や、限られたスペースで絶縁性を確保したい部品にも適しています。

ただし、製品によって厚み、表面処理、粘着層の有無、耐熱温度などが異なります。
加工方法を決める際は、「ポリイミド」という材質名だけでなく、メーカー名や製品グレードまで確認することが大切です。

ポリイミドフィルムが使われる主な用途

ポリイミドフィルムを抜き加工した部品は、主に次のような用途で使用されます。

  • 端子部分だけを露出させる絶縁シート
  • 発熱部周辺の保護材
  • 電池関連部品
  • モーターコイル周辺の絶縁材
  • 電子基板まわりのスペーサー

穴、スリット、窓形状、外形などを組み合わせた精密部品として使われることも多く、位置精度や輪郭精度が部品性能に影響します。
粘着剤付きの材料では、剥離紙を残してフィルム部分だけを切るハーフカット加工が求められる場合もあります。

抜き加工で注意したい4つのポイント

1.刃の摩耗と切れ味

ポリイミドフィルムは薄くても強度があり、刃が摩耗しやすい材料です。
刃先がわずかに劣化しただけでも、切り残しや折れ、端面の乱れが発生することがあります。

特に複数枚を重ねて抜く加工では、上層は切れていても、下層まで刃が届かないケースがあります。
試作時に適切な積層枚数を確認し、量産時には加工回数に応じた刃の点検・交換基準を設けることが、品質の安定につながります。

2.バリと切断面

バリの発生は、刃先の状態、型の精度、材料の固定方法、加工圧などに左右されます。
絶縁部材では、微細なバリや切りくずが組み付け不良や電気的な不具合につながる可能性もあるため、外形寸法だけでなく、端面の状態も確認する必要があります。

バリが発生した場合は、加工条件の調整に加え、刃型そのものの修正や再製作が必要になることもあります。

3.寸法公差と型の選定

必要な寸法公差や製品形状によって、適した抜き型は異なります。
一般的な精度ではトムソン型、微細な穴や高い位置精度が必要な場合は、精密な金属型が選択肢になります。

ただし、仕上がりは型の種類だけでなく、フィルムの厚みや硬さ、形状、粘着層の有無、加工時の固定方法にも左右されます。

組み付けや絶縁性能に関わる重要寸法を明確にし、検査方法とあわせて加工会社へ共有することが大切です。

4.傷・折れ・保管環境

薄いポリイミドフィルムは、搬送や重ね合わせの際に傷や折れが入りやすい素材です。
表面を保護するため、紙製のセパレーターと一緒に型へセットし、抜き加工後に取り外す方法を検討することがあります。

また、温湿度の変化や材料の保管状態は、反りや寸法測定の安定性に影響します。
加工前後の材料を一定の室温で管理するとともに、ロール材では巻き癖、シート材では平面性を確認することも必要です。

現場の声Q&A|加工品質を安定させるための工夫

Q.ポリイミドフィルムの加工で、同じ不具合を繰り返さないために工夫していることはありますか?

A.ポリイミドフィルムは、同じ材質名でも製品グレードや材料構成によって切れ方が異なります。

スワコーでは、切り残しやバリが発生した際の対策、材料の固定方法、使用した刃型、刃の交換時期などを作業指示票に記録しています。
記録した内容は、類似部品を新たに加工する際にも共有します。

一度得られた加工条件を作業者の経験だけに残さず、次回の加工に活用することが、品質の再現性を高めるポイントです。
(スワコー 製造担当者)

まとめ

ポリイミドフィルムは、耐熱性と絶縁性に優れる一方、抜き加工では刃の摩耗、バリ、傷、寸法精度への配慮が必要です。
安定した加工を行うには、製品グレードや厚み、必要公差、重要寸法、端面品質、保管条件を事前に整理し、試作を通して適切な加工条件を確認することが欠かせません。

スワコーでは、材質や厚み、製品形状、必要な精度を確認しながら、ポリイミドフィルムの抜き加工方法を検討しています。
図面だけでなく、使用環境や組み付け方法、現在お困りの点も含めて、お気軽にご相談ください。

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